空から降ってきた天女

10/60
前へ
/630ページ
次へ
――宮浦なのは―― 「住むって言ってもどうすんだよ。 部屋なんか空いてねえぞ。」 「何言ってるんですか。土方さん。 僕の部屋でいいじゃないですか。」 「はぁ? 何言ってんだよ、総司。」 「別にいいよね?なのは?」 「っ!はいっ!」 目の前で繰り広げられている沖田総司と土方歳三のマシンガントーク。 突然同意を求められた私はなんのことかも分からず同意。 てか、沖田総司イケメンなんだけど。 色白で目がぱっちり。 すらりと高い身長。 茶色っぽい髪を頭の上で一つに纏めている。 つまりただのイケメン。 Tさんが沖田総司が色黒で猫背でヒラメ顔って言ってた。 全く違うんですけど! 嫉妬で沖田総司の顔を変なこと書くなよ。 「んまあ、なのはがそう言うならいいだろうけどよ。 隊士として働いてもらうぞ?」 「あ、はい。」 「何言ってんのなのは。 君さ女の子だよ? 竹刀ですら握ったことなさそうなのに。」 「あ、竹刀なら握ったことあります。」 小さい頃剣道やってたんだ! 過去の自分偉い! まさか役に立つとは思ってもみなかったよ 「じゃあ、道場行こ?」 実力を見るって訳ですね! 「はい!」 って、道場暑っ! サウナじゃん! 「相変わらず道場は暑いな。」 「土方さんは滅多に来ないですもんね。」 「るせえよ、総司。 俺は副長の仕事が忙しいんだよ。」 「あっそ。」 沖田総司の反応薄くね!? 思わず突っ込んじゃったけど。 「お前なぁ……。 はぁ………。おい、なのは。 竹刀持って適当なやつに試合を頼め。」 「はいっ!」 正直、竹刀握るのやめて以来なんだよね。 「あ、あの!」 「…………。」 無視!? マジ!? 「あ、あのぉ………。」 素振りをやめた男の人は私に視線を向ける。 …………イケメン。 じゃなくて! 「試合お願いします!」 …………。 一瞬沈黙したとき私が申し込んだ男性は自分かという確認か人差し指で己を指している。 …………天然なの? コクりと頷くと相手もコクりと頷いた。 周りが少しざわついたのは気のせいだよね!? ね!? 大丈夫!!
/630ページ

最初のコメントを投稿しよう!

732人が本棚に入れています
本棚に追加