空から降ってきた天女

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審判の始まりの合図と共に男性がいきなり攻めだした。 ガツン! 意外にも遅くて防ぐことができた。 お互い静かに見合う。 中々攻めてこないから埓があかないので何故か時々隙を見せる胴へ打ち込む。 パァン! 「一本!」 「?」 私が一本とったのか? 取られたのか? 「お前、すげえじゃねえか。」 いつの間にか近づいてきていた土方歳三に褒められる。 ということは勝ったんだ! やった!! 勝った!! 勝つっていうのはいいね。 清々しい! ポンッ 一人喜びに満ちていた私は頭に乗った何かでマイワールドから帰還。 土方歳三に頭を撫でられているよう。 子供じゃないっての。 「土方さん! なのはに触らないでください!」 「はぁ?なに言ってんだよ総司。」 「なのはは僕のです!」 土方歳三の手を払い除けて今度は沖田総司が私の頭を撫で始めた。 どんな争いしてんだ………。 「お、おまっ! それ自覚して言ってんのか?」 「何をだよ、平助。 僕がなのはを抱きとめたんだからね!」 「そこかよ……」 平助と呼ばれた人と土方さんの声がハモる。 「……………。 この女子は夜中の?」 「おう、一。 今日から一番隊に配属に なった宮浦だ。」 一番隊って誰が隊長なんだっけ。 「ほら、なのは。 自己紹介!」 急かすように沖田総司が私に自己紹介を促す。 「宮浦なのはです! 試合ありがとうございました!!」 「……………。」 無視ですかぁあぁあぁ!? ちょっと流石に傷つくよ。 「一くん。」 「…………ん。 ……………。 なのはか、宜しく。」 マイペースだな、この人。 一くんって呼ばれたってことは斎藤一? 斎藤一だよね? そうだよね? イケメンだな、おい。 イケメンだな、おい。 重要だから二回言った。
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