空から降ってきた天女

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「…………。 笑顔が黒い。」 「えっ?」 「ちょ、何言ってるの一くん!」 「人形のようだ………。」 「一、言いすぎだぞ……。」 「っ、いいんです。 本当ですから。」 「は?」 うわ。認めたよこいつ。 みたいな顔しないで! 「笑顔は笑顔なんで!」 取り敢えず笑っとけば人気なんて取れたし。 別に仕事以外で笑う必要ないと思う。 「お前………。」 土方さんが口を開く。 「私は愛も友情も、信じない……。」 ……………。 氷河期到来! 「なんちゃって!」 なんておどけてみたよ! 誰か反応して! 「あ、あははは! なのは!俺は藤堂平助! 平助って呼んでくれ!よろしくな。」 「よろしくお願いしますっ!平助!」 有難う平助! 反応してくれて有難う! 「じゃあ、今日の夕餉で皆に紹介するからな。 総司、あとは任せたぞ。」 「はーい。土方さん。」 土方歳三はあちーと言いながら道場を出て行った。 こっちも暑いわっ! 「じゃ、俺も戻るわ! じゃーな、総司、一、なのは!」 平助行っちゃったよ。 ………気まずくない? 「…………なのは。 その、悪かった。」 「?」 何を謝られているのかさっぱりわかんない。 斎藤さんは私に何かしたのか? 「いや、その…言い過ぎた。」 「いえっ。本当のことですから!」 そんなことで謝ってくれるなんてあんたいい人だよ。 不自然にニコリと笑った斎藤一は気まずそうに道場を出て行った。 私が言っちゃ駄目だと思うけどさ。 貴方も私と似たような笑顔浮かべるね。
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