空から降ってきた天女

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暑い道場を出て沖田総司のあとを着いていく。 「ここが僕たちの部屋。」 「お、沖田さんって甘味本当に 好きなんですね……。」 戸を開けた部屋からは甘い匂いが漂ってくる。 「なのは。僕は隊長だよ? 呼び方が他人行儀みたい。」 じゃあ何と呼べと。 何と呼べばいいのだ。 「…………?」 「んー、隊長と沖田様どっちがいい? 選ばせてあげる。」 まさかのドS? 此処に来てまさかのドS? 「隊長でお願いします。」 沖田様って何か呼ぶのが辛いよね。 隊長の方が呼びやすそうだし。 「ふふっ。よろしい。 よくできました。」 なんだこの笑顔は。 て、天使………? 「なのはって強いんだねー。」 「へっ? あ、小さい頃に剣道とやってたんです。」 アイドル始めたらやめたんだけどね。 ………お金もなかったし。 「先の時代でもあるんだ。 女の子でもやるんだね。」 そう言いながら腰を下ろす隊長。 「はい。女がやっても違和感がないですね。」 言い終えたあとに自分も腰を下ろす。 「へぇ。なのはって強い方でしょ?」 「どうなんでしょうかね。 でも体を動かすことが好きなので。」 「ここに来るまで続けてたの?」 か、かわいい……。 コテンと首をかしげないでっ! 「なのはー?」 「はいっ!?」 手を私の顔の前でヒラヒラさせて名前を呼ぶ隊長。 「もう。聞いてなかったの? ここに来るまで剣道続けてたの?」 「いえ。仕事が忙しくなったのでやめました。」 「仕事? どういう仕事してたの?」
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