空から降ってきた天女

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痛い質問されたな……。 「んー。 歌を歌う仕事ですかね。」 「どんなー?」 興味津々に聞いてくる隊長。 目が輝いてらっしゃる。 「ふんふふーん …………みたいな。」 すっごい適当に歌った。 「変わってるねー! もっと歌って!」 え!? 今の歌にどこに喜ぶ要素が!? 「ふふふんー………。」 「わぁ!」 嬉しそうに笑いながら拍手をしてくれる隊長。 こうやって私の歌を聞いて喜んでくれる人が好きなんだよ。 こういう顔がたくさん見たいから。 嫌だけど見たいから続けてたんだよね………。 「おい総司ぃー。 夕餉の準備できたってよー。」 すっごい間抜けそうな声が廊下から聞こえてきた。 「はぁーい。 なのはっ、行こっ!」 未だ嬉しそうにニコニコと笑う隊長が手招きをしている。 「ほらっ、なのはー」 「はいっ!」 ――沖田総司―― なのはの時代の歌ってすごいんだね! あんな風に歌うんだ! 土方さんも見習えばいいのになぁ。 もっと聞きたかったな………。 でも一瞬辛そうな顔したんだよね。 愛も友情も信じないって何があったんだろうね。 すごく辛そうな目。 何があってあんな笑顔をするようになったのかな。 まぁ、僕には関係ないよ。 ただ彼女の上司として心配してるだけだから。 そうだよ。 「あの。隊長?」 「んー?」 「自己紹介、するんですよね……。 未来から来たってこと言うのでしょうか?」 僕に聞く?そんなこと。 土方さんに聞けばいいのに。 「さぁ? 土方さんがなんか言うでしょ?」 「ですよね!」 本当不思議な子だよね。 天女だと思ったくらいだし。 黙ってりゃかわいいのに。この子。 そう思いながら歩いてれば広間に着いた。
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