空から降ってきた天女

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――宮浦なのは―― 「やっと来たか。二人共。」 やっと着いた。 寒かったよ。廊下。 あったかいよ。広間。 「おい、宮浦。 こっち来い。」 なんか周りからの視線が……。 ウェルカムされるかな、自分……。 「よし。おい! 新しく新選組に入隊した宮浦だ。 ほら、なのは。」 「宮浦なのはです! 今日からよろしくお願いしますっ!」 「ですが、副長。 彼女は女では?」 名前もわからない男が土方さんに問う。 「いや。こいつは男だ。」 へ? 私、男? いやまぁ新選組は女人禁制ですもんね。 そりゃそうなりますよ。 「いや、どう見ても女だろ。 声も女だし。」 さっきとは違う男が問う。 土方歳三が男って言えば男なんだよ! 「うるせぇな、こいつは男だ。 そうだよな?近藤さん?」 近藤さんに話を振ったぞ! 困ってるよ、近藤さん……。 「お、おう。 彼は男だ。」 近藤さん……。 土方さんのむちゃぶりを返すなんて……。 「ほら、近藤さんがそう言ってんだ。 異論があるやつはいるか?」 うわ。威圧感出したよ、この鬼。 ほら、静かになったよ。 「よし、ないな。 なのは、総司の隣に行け。」 「あ、はい。」
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