プロローグ

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「なのたん!ソロデビューおめでとう! ぼくずっと応援してるからね!」 私が差し出した手を両手で包み込んで握手してくる気持ち悪い男。 一言、言わせていただきます。 風呂に入れ。 何か臭い。 リアルで口にしたら大問題だから心の中で盛大に悪口を吐いてやる。 「うん!ありがとう! ずっと応援してね!」 不本意だけど私の必殺営業スマイルで返していく。 こういうやつは握手会に来ないで欲しい。 こういう人のお陰でセンターやってるんだけどさ。 なんか臭い男が消えたら臭くない男が入ってきた。 「なのは。 俺様がいるから頑張れよ。」 さっきの臭いやつとは違い片手で握手。 固く結ばれた絆!! みたいな感じ。 「はい!ありがとうございます! また握手会来てくださいね!」 こんなやり取りをかれこれ2時間やってるんだよ。 早く手を洗って帰りたいっ! 早く手を洗って早く帰って早く風呂に入って早く…………。 あぁ、マカロン食べたい………。 「なんでお前がセンターでソロデビューで一人でCMとか出てんだよ。 お前なんかよりずっとめぐの方が可愛くて歌も上手でダンス上手いのに。」 あぁ、すいません。 余りにもマカロンのことを考えすぎていてあなたの存在に気づきませんでした。 あなた、影薄いってよく言われますよね? 「私も頑張って歌の練習もしてるし ダンスの練習もしてるんですよ?」 ニコリと必殺営業スマイル。 「まじきめえ。この女。」
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