プロローグ

3/4
前へ
/630ページ
次へ
キモいって言われた。 最初は一週間くらい落ち込んだけど言われすぎて慣れたよ。 私ってメンタル強いと思うよ! だって4ちゃんねるで盛大に叩かれても気にしてないし! …………すいません、嘘です。 本当は一ヶ月くらい落ち込みました。 「宮浦さん、今日はもう上がっていいそうです。」 私にだけ愛想のない後輩が私に握手会の終わりを告げに来た。 「あぁ、ありがとうございます。」 最後の相手が悪口男って………。 臭い人でもいいからファンで終わりたかったなぁ………。 両手をスカートで拭きながら楽屋へ入る。 「あ、来た。 あの子本当に愛想ないよね。」 「うんうん。 なんでめぐさんがセンターじゃないんだろうね。」 「めぐさんの方がかわいいのに。」 おーい! 聞こえてますよぉ!! わざとかー!? わざと聞こえるように言ってるのかー!? 心の中で盛大に叫んでみる。 まぁ、聞こえないんですけど。 机の上に残っている恐らく私のものであろう最後のお弁当を手に取る。 私の夜食です。 ここで食べたら雑巾とか入れられるから帰ってゆっくり食べる。 その前に手を洗いたい。 「よいしょ………。」 ドンッ 「!?」 「あれ、なのはちゃんじゃーん。 ごめんね~?」 カバンに入れかかっていた私のお弁当が無残にも床へ着地。 人間で表現するとバラバラ死体状態。 まさかこっちの作戦で来るとは思わなかった。 てか、私の夜食。 ちょっとめぐ。 私の夜食!!! 「………大丈夫です。」 大丈夫じゃないけどね!! 「ありがとぉ。あれぇー? なのはちゃん弁当食べないのぉ?」 おい、めぐ。 このバラバラの床へ着地した弁当を食えと? ………食わせそうだな。 「あれ、無視ぃ?」 またドンッとぶつかってくる。 そうです、無視です。 よくその幼稚な頭で理解できましたね。 ふと外を見ると外はもう真っ暗。 「ちょっと、あんた。」 肩を掴んできためぐの取り巻きに床へ着地した弁当を顔面めがけて蹴った。 「きゃぁあぁ!」
/630ページ

最初のコメントを投稿しよう!

732人が本棚に入れています
本棚に追加