オカマ野郎。

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あ、でも小野が怯んだ。 そりゃあの殺気を自分に浴びせられたら………ね。 怖いわ。 隊長はある意味土方さんより恐ろしいから。 ドSを発動させればもはや甘味では止まらない。 「行こ。」 手を差し出した隊長の手を握ってそのまま揚げ屋を出た。 「帰るの早いですね。」 「まかろんが寒いから。」 「あ、そっか。」 一歩踏み出す度にサクッサクッと小気味の良い音を立てる。 雪を踏む音好きなんだよね。 「なのは。 もう小野に近づいちゃ駄目。」 「?」 「いい? 隊長命令。」 私ただの女中なんですが………。 もう隊士じゃないんですが………。 よもや小姓でもないんですけど………。 「いい? わかった?なのはちゃん。」 「わ、わ、わかりました!」 殺気立つな! 怖いでしょ! こんな真っ暗で雪が降ってる夜に殺気立つな! 殺気で脅すな! もう隊長は殺気禁止!!
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