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***
「…………。」
目をパチッと開けた私は直ぐに視界に入った天井を見つめる。
どこだ、ここ。
あれ、私刺されたよね…?
うん。間違いないよ。
刺されたんだよ、私。
のそりと起き上がり刺されたと思われる部分を恐る恐る触ってみる。
…………?
痛くない!?
え、痛くない!?
実は私は不死身だったとか!?
いやいやいや。
ここ病院じゃね?
それで、昏睡状態で十年後に目が覚めた的な。
あ、待てそれは困る。
そんなだと私おばちゃんじゃん。
貴重な十年返せ通り魔。
一先ずベッドから降りようとした。
つもり。
実は布団でしたぁ!
布団万歳!
……………。
死ねっ!!
なんで布団なんだよ!?
旧式な病院なのか!?
部屋も暗いし。床は畳だし。
何時代だ此処は!
江戸時代か?
昭和か?
鎌倉?
安土桃山?
あぁ!?
そうか、これは夢だ。
通り魔に刺されてなんていないしアイドルなんてやってない。
宮浦なのはという人間自体が夢だったんだ!
夢から覚めたいときは大声出せばいいっておばあちゃんが言ってたよ。
「わああああああああっ!!」
叫んでみた。
ガタッ!!
「!?」
突然の物音に驚く。
人いたのか。
大掛かりな夢でらっしゃる。
「な、な、な、なんだ!!!!!!」
スパーんと音を立てて部屋(?)に入ってきた男二名。
誰だ、お前!?
神様!?
「やっと起きたかこの女。」
「…………神様ですか?」
私の声と共に首筋に当たる冷たい何か。
「と、歳。女子に刀を向けては………。」
「ふぁっ!?」
あ、やば。
思わず変な声が出てしまった。
待って。刀?
それって持ってていいものだっけ?
銃刀法違反とかで捕まっちゃうんじゃね?
あ、でも神様だからいいのか?
いやいやいやいや。
無抵抗な人間殺そうとするなよ。
「……おい。」
「?」
「お前、何者だ?」
歳と呼ばれた人にそう問われた。
神様って歳っていう名前なの?
実は人間なんじゃね?
え、待って。
じゃあさこの人私のこと知らないの!?
「………私のこと知らないんですか?」
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