空から降ってきた天女

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あ、わかったぞ。 バラエティ番組のドッキリ企画だ。 騙されないと駄目っしょ! 「あのここはどこですか?」 「ここは屯所だ。新選組屯所。」 なるほど。幕末の京都と来ましたか。 「あー。そうなんですかー。」 ………。 室内(?)に氷河期が訪れた。 私なんか言ったっけ? 「お前、動揺とかしねえのか?」 「へ?」 ……………。 いや、考えろ宮浦。 まず刺されたじゃん? 痛かった。 死亡。 いや、私死んでね? まず死んだ時点でドッキリじゃなくない? あ、いや死んだのか? いやいやいやいやいやいや。 まだ死にたくないし! じゃあ、今の私はなんだ? ん? やっぱり宮浦なのはという人間は存在しなかったのか? ちょっと悲しくね? いじめられ損じゃん。 じゃあ此処はどーこだっ? ……………タイムスリップ? 「おい。」 「あ、あ、あ、あの! 私ど忘れしちゃったみたいなんですけど……。」 「何をだ?」 「今年って何年でしたっけ?」 う、うわ。 そんな哀れむような目で見ないで…。 「元治元年だが。」 「またまたぁ、ご冗談をぉ!」 「てめぇ、なめてんのか?」 やべ。怒らせちゃった。 スッと戸の開く音がする。 入口にはイケメンな男の人が。 「あ、まさか起きたんですか!?」 突然入ってきた青年がキラキラと輝く瞳で私を観察している。 「総司。こいつ本当に天女かよ?」 「本当ですよ!土方さん!」 「え!?」 「まさか………沖田総司と土方歳三…?」 あ、確かにそういえばさっき優しそうなおじさんが歳とか言ってたっけ………。 え?待て。ということはだよ? そこにいる優しそうなおじさんはまさか 「近藤勇!?」 「ん?なんだね?」 「マジすか。」 近藤勇に近づいてペタペタ触る。 うん、触れる。 幽霊じゃない! 結論! 私はタイムスリップをしたぁあぁ!
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