君の好きな花は

3/5
前へ
/5ページ
次へ
「いってきます…」 朝になって、眠い目を擦りながら家を出た。 昨日は結局ほとんど寝られなかった。 朝方の4時ごろ、ようやく眠りにつけたから。 昨日だけでなく、最近はずっとこの調子で、ヘタしたら死んじゃうかも…!と、不安に駆られることも少なくない。 「ふわぁあ…、眠。」 わたしの気持ちとは裏腹に、天気はすごく良くて。 暖かい日差しが、眠気を誘う。 気晴らしに、今日も花を一本だけ買っていこうかな。 花屋に行くと、そこにはいつもの笑顔で微笑む少年がいた。 その少年がいる場所だけがキラキラと輝いているような錯覚がして、わたしは思わず目を細めた。 緊張のあまり顔がひきつるけれど、あくまでも自然に、自然に挨拶をする。 「ぉ、おはよう、ございます。」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加