困った時の神頼み

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ウザイ奴(一応副長の右腕と呼ばれている)が居なくなり蒼が銀次のボケだけに専念する事だ出来る様になった今、蒼はそのまま資料を眺めながら現場検証を続けた 「後はな、死体への不可解な点だけではない。この現場全体に関しても疑問だあるんだよ」 『・・・現場全体、だと』 蒼が銀次を見ると一つの場所を指でさした ・・・その先にはワインとパンが置かれていた 被害者が逃げ回った現場で室内は荒れている・・・なのにテーブルのワインはグラスに注がれたまま溢れることは無く置かれており、パンが添えられていた 「テーブルは汚れているのに、パンだけは綺麗な状態で置いてあった。ワインもグラスが割れているどころかヒビすらない・・・つまり殺害した後に故意的に置いたと俺は考えている」 『・・・このワインとパンを置く事の意味、か』 手紙とワインとパンは犯人が置いたとすると まるで自分の正体が暴かれる事が無いかの様な・・・そう、挑発である 『やってくれるな・・今回の犯人は。』 そう言って笑みをこぼしながら蒼はテーブルに置いてあった瓶にに手をかけた 『ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズーヴィオ・・・”キリストの涙”か』 このワインの銘柄に何か意味がある筈・・・故意的に置いたとしたら尚更である だが矛盾した点もある 利き腕の事もそうだが・・・
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