困った時の神頼み

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変な言い訳をダラダラ言いながらタバコに火をつける 「じゃあいっちょ現場報告してくれや、蒼」 『ああ、現場検証の結果今回の事件は恐らく”俺達”の管轄で捜査すべき事件だと俺は判断した』 「つまり”人間の犯行ではない”と見ていいってことか」 『はい、今回の事件は銃殺で行われた事しか現在明確な事実は判明してはいないが・・・まあ全ては被害者の検査結果、だな』 「成程、今回の捜査に関してはお前と志義に任せてよさそうだな」 『良さそう・・・って軽い感じで捜査の人員を決めるなアンタは』 しかしそんな軽めの口調で確実に物事を判断しているのも事実である だからこそこの特殊な部隊の頂点にいるのが彼、神沢 臥位なのだろう 「まぁそう言うなって」 『・・・俺はアンタのいう事に文句はないがな。俺達の局長は神沢臥位、アンタだからな』 その二人のやりとりからは信頼関係が垣間見える 『志義は被害者の人間関係の捜査に向かった。俺は検査結果を聞き次第、志義と合流して捜査にあたります』 「何かあれば俺も状況次第では現場に出れるんだから報告しろよな蒼」 『アンタに出させる訳にはいかねえさ・・・その背に背負う神の一文字の為にな』 白き衣に描かれし神の一文字には国の為にその力を奉仕する証でもない 選ばれし者だけが背負える証の為に蒼は背負っているのではない 彼は”神沢臥位”が上に居るからこそ背負う価値が初めて現れる 彼への忠誠心の証であるのだ 「俺はそんな大層な奴じゃねえよ。」 そういいながら臥位は失われた自らの片腕を見つめた その様子を蒼はただ見つめ一礼をし 『捜査に戻らせてもらう』 と一言告げて部屋を後にした 《バタン・・・》 「あいつも、無駄に背負いすぎなんだよ」 彼が出て行ったドアを見つめ臥位が呟いた 苦しみで償えるなら罪を背負って生きていた証に終止符を 失うのが怖くなって人は それが大事な物だと気付く 過去を振り返って後悔する事はない それは正しい選択だと証明するモノは何も無いからだ
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