神選組ｰシンセングミｰ

油断をすると火傷する

「神崎副長!!!」
廊下で部下が蒼を探して追いかけて来た

『どうした』
聞くところによると先程運ばれてきた被害者の検査が終わったらしくわざわざ報告に来てくれた

「検査の結果､被害者の衣服からいくつかの物的証拠が発見されました」

『･･･解った｡その話､詳しく聞かせて貰おう』

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検査室にて

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彼女の死因は出血多量と
極めつけに頭に一発受けて死亡した

そして彼女の衣服のポケットからは一枚のつけ爪が発見された

『つけ爪･･･か』
恐らく犯人に抵抗した際にポケットに入り込んだのではないかと考えられる

蒼は彼女が身につけていた衣服とアクセサリーを手当たり次第に見ていく中で一つ気になる物を見つけた

『･･･なんだこれは』

それは一つの何の変哲もないシルバーリングだった
･･･だがよく見ると不審な汚れがついていた

『(何だ･･･この､焼けた様な跡は)』
恐らく血痕だが､まるで焼けたように指輪にこびりついていた
そして蒼は鑑識に資料と共に指輪について問うた

『鑑識､被害者に火傷などあったりしたか』

「いえ､彼女は拳銃とナイフで負われた傷と抵抗した際に出来た傷位ですね」

『･･･という事は』
単純に考えれば犯人が火傷を負ったとしか考えられないが
だが問題はなぜ指輪にその跡が残っているのかという事

現場に置かれて居たパンとワイン
そして､焼けた跡･･･

ラリクマ･クリスティ･デル･ヴェズーヴィオ
キリストの涙の意味を示すワインの意味

『･･･････吸血鬼』

キリストは自らの血と肉をパンとワインで例えた話
吸血鬼も同じ例えを使っている

指輪に焼けた跡があり指輪は銀製のリングであった
吸血鬼は銀に触れると肌が焼けるという

『(もし･･･そうならばこの事件は完全に俺達の管轄の任務になるな)』
神選組と警察の違いは1つだけ
犯人が普通の人間でも捕まえられるか､そうじゃないかの二択

更につけ爪が入っていたという事は犯人が女性という可能性が高い

ならば･･･あの”カガリ”というメッセージは何の為に故意的に書いたんだ･･･もし調査した際に万が一女性だという可能性が出てきた時に矛盾が生じるのを考えなかったのか

『･･･志義の報告次第､だな』