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一方、志義は被害者の調査に出ていた
まずは被害者の勤務先である編集者
「カガミさんは勤務している時は主に何を取材してたんですか」
「そうですね。彼女は主に芸能関係のスキャンダルとかではなくクチコミで有名になった店や観光地を取材していましたよ」
「つまり・・・取材をする中で人間関係のもつれが生まれる事は少ないと考えてよろしいですかね」
「彼女からそういう問題は一切聞かなかったですからね」
「うーん・・・そうですか。後それと、彼女の利き腕は?」
「彼女は左利きですよ」
やはり蒼の予想通り彼女は左利きだった
これであのダイイングメッセージは故意的なモノなのが確実になった
「あ、それと彼女の周辺でガガリって人物居ましたかね?」
後はあのダイイングメッセージに書かれたカガリという人物
何の為に犯人が書いたのか・・・
「カガリ・・・ですか。そういう名前は相談を受けた時とかには聞かなかったですね・・・彼女特に今特に交際とかしてなかったし」
「うーん・・・そうですか。交際、してなかったんですか」
これで恋愛関係のもつれでの犯行の可能性も薄くなってきた
なら、あのカガリとは一体誰なのか
「あ、いやちょっと待って貰えますか?」
編集者の女性がそう言うと名刺を漁りだし、1枚の名刺を志義に見せてきた
そこには“耀梨 一葉(カガリ カズナ)”と書いてあった
「カガリ・・・この人は一体何の関係が」
「実は彼女と一緒に取材に行ったキリストンカフェのオーナーさんだったんですよ。メニューが女性に人気なのもありましたけど、イケメンなのもあってクチコミで広がったらしくて・・・苗字も名前も読みが珍しかったので印象に残ってたんですよ」
「キリストンカフェ・・・ねぇ」
何かの手がかりになるかもしれないと志義はカフェの記事、住所、名刺のコピーを1枚頂いて編集社を後にした
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