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《ガチャ》
「ただいま戻りましたー。副長居ますか」
ノックもせずにまるで自分の部屋に入るかの様に
『随分と遅かったな志義』
「いやー実は帰り際に行きつけのクレープ屋で限定新商品があって今買ったらバナナ多めに入れてくれるって言うから・・・」
『もうそれ以上喋るな砂糖中毒野郎が』
※志義は超甘党であり蒼は非甘党である為食による喧嘩が絶えません
「あ、そんな事言ったら調査結果喋りませんからね」
そう言いながらミルクティーに6杯目の砂糖を入れる志義
『・・・・・・・・・調査結果を』
もう突っ込むのをやめて簡潔な取引にしたいと試みた蒼
「えーっとまずはコレを見ながら俺の説明聞いてください」
蒼に先程貰ったカフェの記事と名刺のコピーを渡した
『カガリという人物が周辺に居たとはな・・・随分あっさり見つかったもんだ』
「後被害者は左利きだったんであの現場にあったメッセージは故意的に作られたものと考えた方が良いかと思います」
『・・・どちらにしてもこのカガリという人物に接触した方が良いのは確かだな』
資料に目をやると蒼はカフェの部分で手が止まった
「どうしました?・・・もしかしてそのカフェに行きたいとか」
志義に尋ねられて蒼は笑を見せて
『そうだな』
と、短い返事の中に蒼の企みが含まれていた
パンとワインはキリストで血と肉を表す言葉
キリストの涙の意味をもつワイン
そして手紙の中にあった酒の名前を用いた暗号
“∀ martini ∃”
“Dear.Dry⇔XYZ”
martini(マティーニ)とXYZがどういった意味を持つのか
そして、酒を用いている辺りといいキリストといい・・・
カガリを結びつけるものが多すぎる
執拗に、わざとらしく彼を示す暗号が多すぎるのも不可解
『まずは“客”として行ってみるか』
そういって蒼は立ち上がりカップに残ったコーヒーを飲み干した
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