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「どうしたんだ蒼。被害者の女性がタイプだったからってそんなに漁るな」
『黙れクソ刑事。第一、漁ってないだろう』
銀次のおちょくりも何時もの様に流し疑問を投げかけた
『彼女は・・・左利きじゃないのか』
「そこまでは解らん。なんせさっき現場に足運んでまだ周辺の人物にすら話を聞けてないからな・・・何故そう思った」
『この写真を見ると被害者は右手でダイイングメッセージを書いた事になる。右指に血痕がついてるしな・・・なのに彼女は右手に腕時計をつけている』
普通は利き腕とは逆の腕に腕時計はするモンだ
物を書くときなどに利き腕につけていれば邪魔になるし時計は痛む
『もし彼女が左利きだったとしたらこのダイイングメッセージは彼女が書いたものではない』
「・・・犯人が故意的に書いたもの」
更に蒼はメッセージが書かれた壁に指をこすりつけて更に言葉を続けた
『このメッセージは乾いた血の上から重ねて書かれたものだ』
頭を撃ち抜かれているのに血が乾くまで生きていたなんて有り得ない
そして先ほどの利き腕の話を含めれば利き腕でない方でまともに字が書けるのかという話だ
「蒼・・・貴方はこのまま現場検証をお願い出来ますか」
志義が蒼に1つの提案を投げかけた
『・・・そうだな情報捜査に関してはお前の方が秀でているからな』
情報部隊の隊長を務めているのは名ばかりじゃない・・・というコトだ
『俺は現場検証と本部に戻って報告と遺体の検証結果を、志義は被害者の勤務先と”カガリ”という人物が居たか捜索を』
「分かりましたよ。副長殿」
『俺も”カガリ”について調べる。何か解ったら報告を頼んだ』
「おっけー。今日はお気に入りのブーツ磨いて履いてきたからちょっとテンション高いから頑張っちゃうよ、俺」
そう言いながら自ら履いてる黒いブーツをナデナデしている少しキモイ奴
・・・一応彼が国の為に情報を調べている部隊のトップだという事は避けられない真実でもある
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