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私は,春山架奈【ハルヤマ カナ】高1。対する貴方は,高2。
いつ出逢ったのかも分からないくせに仲がもの凄くいいの。
いつも通りに毎日を過ごし,1日が終わってしまう繰り返し…。
今日もまた1日の始まり…
そして貴方との1日の始まり……
朝の支度をし,家から出た私は,学校の門をくぐり下駄箱へと足を運んだ。
すると向こうから誰かが来るのが分かった。
『ォッハー♪』
朝からテンションが可笑しいコイツが貴方こと近藤雄。
年上らしくないのに一応先輩という訳。
『おはよ…雄また朝からテンションおかしいよ?』
私は呆れて言葉達を雄に向かって投げ掛けながら,靴を脱ぎシューズに履き替え校内へと入った。
すると雄はいかにも訳の分からない事を言い始めた。
『気にすんな!俺らしさだから♪』
とニッコリ笑って見せた。
やっぱり私には雄が先輩には見えない…(苦笑
だけど何か返す言葉を胸の何処かで探してた。
もしかしたら自分らしさって本当は大切なのかもしれないから…と。
精一杯探した言葉の中には,なかなかまとめられるような文はなかった…
自分なりに言ってみることにした。
『…俺らしさ?』
そう,私はそれぐらいの言葉しか雄に言えなかった。
だけど雄はあっさりと
『そ!俺らしさ!!』
と言われてしまった私は,さっきの考えとは裏腹に"アホらしい…"と思った事は確かだった。
『そ,そ,そうなんだ』
私はなんと言っていいか分からずにそう呟いた。
『なんだよ…その微妙な反応は…』
頭をかきながら,此方をみて言い放つ雄に私は笑いを覚えた。
その時だった…
放送室からスピーカーを通じて予鈴が耳に聞こえてきた。
『やっべぇ…予鈴じゃんかよ!!じゃ俺行くわ!またな~』
そういうと走り去って行ってしまった。
私は一人廊下に残されたままになっていた。
『あぁ…もう!なんなのアイツ…』
一人で呟いたその言葉は本音ではないという事と同時にアイツの事を私が好きだと言うことを改めて実感した気がした。
だけどいつ出逢ったのかも分かんなくて,いつも傍に居るアイツがたまらなく好きな自分がいた。
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