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その声が聞こえた瞬間にパキンっ、と音を立てて文字の首輪が弾けた。
グルル、と響く聞き慣れた力強い唸り声。
「すまぬな、マミヤ。
我は何ともない。」
その声に安堵する。
セレスタは操れなかったみたいだ。
うん、と返して俺は彼の顎を撫でた。
「うわぁぁああああああああああああああああああ!?
あああぁぁ………ぁぁぁ……ぁ…………」
逆に様子がおかしいのはゲイス。
セレスタが怪しげな術式を破った瞬間から彼は頭を抱えて苦しんでいる。
暫くその状態が続いたかと思うと徐々にその声は弱まり、遂には頭を抱えていた腕がダラリと下がり、彼は虚空を見つめて動かなくなった。
……何事?
「ふん……終わりは哀れなものぞ。
理を崩す遺物に手を出さねば良いものを。」
現状について行けない俺に対して、セレスタは何が起きたか理解しているみたいだ。
「何が……起きたんだ?」
俺は事の説明をセレスタに問う。
すると彼はうむ、と頷き口を開いた。
「封竜輪……
かつて人間が我等を封じ、使役しようとする為創り上げた禁忌の術ぞ。
我等を封じる以上、並の術では不可能。
故にこの術式には生贄の命と術者の魂を使う。
しかし、所詮は人間の術。
我等の中でも力の弱き者、或いは弱ったものしか操る事は出来ぬ。
この下郎はそれを知らず、我に術を破られたが故に術と共に魂が砕けたのだ。
此奴はもはや人形に過ぎぬ。」
セレスタの口から語られた真実。
つまり、ゲイスは術式ごと魂をセレスタに破られたのか。
「しかし、まさかあの様な術式如きに捕らわれ、人間に扱き使われるとは。
見下げたぞ、クァンツァート。」
そして彼の意識は別の方へ。
セレスタが声を掛けたのは横たわる皇竜だ。
「申し訳ありませぬ、我等が王……」
……え、喋った?
今まで雄叫びしか上げてなかったからてっきり喋らないものかと思ってたよ。
以外と渋みのある声で驚きました。
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