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「……………そっか。ならよかった」
(彼…たしか世良くん…...世良…海斗くんだっけ…?)
世良くんはただ何も言わずに靴箱から靴を取り出す。
……何も聞いてくれない。
ううん。聞かないでいてくれた。
「早く出ないとカギ閉まっちゃうよ?さっき三好先生が、戸締りの確認してたから」
「…………えっ…?」
まさかそんなはずはないと思っていたのに。
誰も気がついていないと思っていたのに…
頬に流れていた涙が一瞬止まり、あたしは目を見開いた。
(もしかして……見られた……?)
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