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「せっ…世良くんは…」
無意識に掴んでいたチェックのマフラーに力が入る。
声も震えていて自分でも言葉を発せているのかわからなかった。
信じたくない…。
だけど、確かめなくちゃ…
「こんな時間まで何していたの…?部活なんかしてたっけ…?」
ドサッ…と世良君が荷物を置く。
その荷物は、さっき私が教室で見たものと同じだった。
あの時の鞄は世良君の物だと確信する。
それと同時に、私が先生としていた事を彼に見られていたということも…確信してしまった。
「えっ……、あぁ……」
(もうダメだ…
完全に見られていたんだ…)
私はもう覚悟した。
これだけの禁忌を冒したんだ。
学校を辞めさせられてしまうことだってあり得なくもない。
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