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「こんなにたくさんどーすんの?」
レンジでチンした湯たんぽに、たくさんのホッカイロ。
外は寒いから毛布も用意した。
急いで用意した身体を温めるものを見ながら、お母さんはあたしに問いかけた。
「…………」
でも、あたしは何も答えずにそれらを持って外へ出ようとする。
風邪を引かないように、あたし自身も防寒対策をして。
「ちょっと、ひな!聞いてんの?まさかこんな時間に雪の中出かける気じゃないでしょーね」
お母さんの言葉が的確過ぎてさらに何も言えなくなる。
女の勘なのか。それとも母親だからわかるのか。
どっちかわからないけれど、あたしはお母さんに向かって笑った。
「なんか……アンタのそんな嬉しそうな顔……久々かも」
「……え……?」
「いつも……泣きはらした悲しい顔で帰ってくるから」
「…………!」
そっか……あたし、
お母さんにもそんな風に
心配かけていたんだ……
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