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なんか今日は
涙腺……緩みっぱなしだ……
ポロポロと流れ落ちる涙。
止めようとしても、次から次へと流れ出して止まらない。
ドアを隔てて、あたしは声を殺して泣く。
お母さんに泣いているなんて知られたら笑われそうだもん。
『アンタのそんな嬉しそうな顔……久々かも』
自分でも気がつかなかった。
あたし……世良くんが来てくれることを……
そんなに嬉しそうにしてたんだ……
玄関を出ると、雪はシンシンと降り続いていて。
道路や屋根にはすっかり雪は積もっていた。
びゅうっと鋭い寒さの風が吹く。
はぁっと息を吐いたら、真っ白な見える息になって消えていった。
寒……っ
空を見上げれば、止むことをしらない雪が顔に降り注ぐ。
寒……
こんな中を、あたしのために……
顔についた雪を手で振り払う。
目を瞑り、あったことを思い返していた。
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