17人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
世良くんはあたしの姿に驚いていた。
寒いからか、そうでは無いのか。
頬を真っ赤にさせて、息を吐く。
「か……っ風邪ひくだろ!」
「世良くんこそ」
自分のことより、あたしを一番に考えてくれる。
これがどれほど嬉しいことか、世良くんにはわかる?
あたしのことを大事にしてくれているの、すごく伝わる。
寒かっただろうに、こんか吹雪の中会いに来てくれるなんて……
嬉しいなんて言葉だけじゃ足りない。
あたしは毛布を世良くんにかけてあげる。
すると、世良くんはぐしっっと顔を腕で拭った。
「大丈夫!?」
世良くんに駆け寄って距離が近くなる。
毛布をかけた手の力が少し弱まった。
「ゴメン……なんか……。オレが来たせいで寒い中、高月外で待たせちゃって……」
なんで、この人はこんなにも優しいんだろう……
最初のコメントを投稿しよう!