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いつまでもこうして抱き合っているのも恥ずかしくて。
その上外はとても寒くて。
風邪を引く前に世良くんにはお風呂に入ってもらった。
あたしは自分の部屋に世良くんのジャンバーをかける。
ジャンバーは雪ですっかり濡れていて、触れただけで寒さがわかるようだった。
「ねぇお母さん、朝までにコレ乾くかな?」
「エアコンの風で乾くわよ。ハイ、お父さんのパジャマだから持ってってやって」
毛布を腕に掛けながら、お母さんはお父さんのパジャマをあたしに渡す。
……ってあたしが持っていくの!?
「えっ!お風呂場に!?無理無理っおかーさん行ってきてよ」
「何恥ずかしがってンの、彼氏でしょ?」
お母さんは呆れながらあたしに言って、階段を降りていった。
いきなりドア開けたら偶然……
ってなに考えてンのあたしは!!
こんなことできるわけないよ……!!
……ってゆっても、今日の今日なんだもん……
うちでお風呂入ってる事すら嘘みたいな話だし。
『彼氏』、なんて……
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