新しい恋

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窓から雪を見ていると、 お母さんに言われた言葉が脳裏に浮かんだ。 『いつも泣きはらした悲しい顔で帰って来るから……』 お母さんが、いつもあたしのことを気にかけてくれていたことがわかって 嬉しかったけれど。 それと同時に少し虚しかった。 図星をつかれたようなカンジだった。 世良くんがいてくれて 良かった…… 失恋したばかりなのに、 まっすぐあたしの事見てくれる世良くんに あたし……すごく…… 魅かれて行ってる…… カーテンを閉じて、 少しずつ気持ちを整理させる。 それから、お父さんのパジャマをお風呂場まで持って行く。 「世良くん、ここに着替え置いておくから……」 「う、うん!ありがとう……」 シャワーの音と、響く世良くんの声にあたしは心臓が大きくなった。 照れ臭くって、すぐに部屋に戻る。 いつまでも制服のままじゃあ、なんだからおかしいから、 部屋着にでも着替えようとした。 その時、 ブーーーッ ブーーーッ ブーーーッ ベッドの上に置いてあったあたしの携帯が、震えた。 制服を脱ごうとして肩まで出したのに、 途中で手を止めて画面を見る。 こんな時間に、 誰……? ブーーーッ ブーーーッ 携帯のディスプレイには、見慣れた名前。 ー三好 拓哉ー うそ……っ 別れたはずの、三好先生からの着信………
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