新しい恋

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世良くんはあたしの姿を見て 顔を真っ赤にさせた。 「……ごめん!き、着替え中……!」 「…………」 それもそのはず。 だって、あたしは制服のリボンが取れて肩が露わになった姿をしていた。 長い髪の毛で隠れてるけれど、 キャミソールが透けてブラジャーの色だって見られているかもしれない。 だけど、 あたしは今先生と電話中。 ただ普通に電話していただけなのに…… はらはらと涙が出ているんだろう。 『高月……?どうし……』 ピッ ツーー…… ツーー…… さっき別れた彼女と会話していた。 彼女は俺の生徒の高月ひな。 ただ自然に惹かれ、自然に愛し合った。 それが生徒と教師であっただけの話だ。 別れを告げた時の、 彼女の姿が気になったから電話してみたものの…… 『高月……?』 携帯から聞こえてきた男の声。 彼女の近くに男がいるのだろう。 父親ではない、誰かの。 聞きなれた声。 今の声はきっと…… ツーー…… ツーー…… 俺はしばらく 携帯をずっと耳に当てたまま。 電話が切れた機械音が頭の中で響いていた。
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