I wish you be Happy forever...

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世良くんが来るまで、ずっと校門の前にいても良かったんだけれど。 一人になったらどこか寂しくなって、寒くなってきた。 学校の正面玄関の扉に手を伸ばすと、ガチャリと音が鳴って開いた。 まだ6時なのになんで正面玄関開いてたんだろう? いつもはこの時間、裏口しか開いてないのに…… 用務員さんかな……? こんなことを知っているのも、 朝早く来て先生に会いに行っていたから。 登校して、教室にいる先生に後ろから抱きついて、先生を驚かせたりして…… そんなことも、もう全て過去の話。 もう先生とは恋人でもなんでもないんだから、先生もいないに決まってる。 学校の玄関も、靴箱も、廊下も。 こんなにも明るく見えたっけ、と思うくらいにキラキラして見えた。 それは、学校が綺麗に掃除されているからではなく、 あたしが世良くんに恋をしているから。 はぁ……っと息を吐くと、学校の中でも真っ白に見えた。 それほど寒くないと思っていたのは、心が暖かいから? 教室へ向かう廊下をゆっくりと歩いていた。 だけど……あたしは教室の目の前でピタリと足を止めてしまった。 「電気が点いてる……」 それだけじゃ無い。 教室に…… 誰かいる…… こんな朝早くに来る生徒なんて、あたしくらいしかない。 もしかして、さっき別れたばかりの世良くんが先回りして…… なんて、そんな器用なことができる人ではないと思う。 まさか、そんなはずは無いと思っているのに…… あたしは教室の前で深呼吸を二回して、 教室の扉を開けた。 ガラッ
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