I wish you be Happy forever...

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先生はあたしを責める。 あたしとしては、先生から別れを切り出されたのに理不尽だと感じていた。 でも……ふと脳裏に先生が言っていたこ 言葉が浮かんだ。 『どの道こんなことしてんだから、教師失格だしな……』 そう言った先生は、どこか辛そうだったことを思い出す。 冷たい眼差しで、自分自身を責めているようにも感じた。 ……違う。 全然、違う。 先生が戒めたいのは…… 「これから先の幸せが先生にあるように、あたしにもそーゆーのあるんです……」 ホントは自分自身だって。 あたしを責めるんじゃなくて、先生自身を責めているんだ。 「教師をやめて……あたしと別れて……先生は先生の決めた道を行くんでしょ……?」 「ああ……」 「そこにあたしと一緒に生きる未来は、先生の中の選択肢にほんの少しの可能性でもあったんですか?」 「……………」 知ってる。 知ってるよ、あたし。 ホントは凄く、 優しい人だと知ってる。 じゃないと、あたしは先生に魅かれたりしないもん。 先生と付き合う前から、先生は誰にでも優しかった。 付き合ってからも、あたしだけにしてくれる優しさがとても嬉しかった。 ……でも、 「先生の選択肢には、あたしと生きる道なんてあるはずない」 「………」 「だって『先生と生徒』……この関係に一番苦しんでたのは先生の方だもん」 あたしよりも、先生の方がこの関係に苦しんでた。 会いたい時に会えなくて。 側に居たいのに、居れなくて。 会えたとしても、周りを気にしながらのこの関係。 あたしはこの関係に覚悟はあったけど、 先生はきっと覚悟が足らなかったんだ。 でも、あたしも先生も きっと 同じ気持ちだった 本気で好きだった……
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