I wish you be Happy forever...

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先生の足音が聞こえなくなって。 あたしはもう一度答案を見てみる。 何か…… 書かれてる…… よく見ると、あたしの名前の下あたりに小さく文字が書かれていた。 あたしの答案にしか無い、先生からのメッセージ。 『I wish you be Happy forever...』 ーーいつもキミの 幸せを 願う…… 先生らしい、男の人の字で。 あたしのことを思って、先生は書いてくれたんだ。 先生の言葉が。 先生の声が。 先生への想いが。 先生との思い出が。 一気に頭の中に浮かんできて、思わず涙が流れてくる。 「……ふっ」 先生…… 「ふ……っくっ」 先生はやっぱりズルい人。 どうせなら、 最後まで悪い「先生」でいてよ…… ずつ……と鼻をすする音が教室に響き、 その中でクシャッとテスト用紙を握りしめた。 教室には誰も居なくて幸いだったかもしれない。 世良くんも、先生も居なくて、 本当に良かった。 あとは、あたしの問題。 あたしがちゃんと前に進む番。 さよなら……先生…… 大好きだった。 本当に、大好きだった。 別れるなんて考えられない日もあった。 でも、あたし達には明るい未来なんてなかった。 先生がくれた思い出は、これからも大切なものになってゆくよ? 世良くんと付き合うことになったとしても。 三好先生が大好きだったあたしの気持ちは、忘れたくない。 ありがとう、先生。 さようなら、先生……
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