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時計の針が時を刻んでも、
雪はまだ降り続いたまま。
雪は柔らかく、優しく、地に舞い降りていた。
まるで、あたしを呼ぶように。
あたしは教室から出て校舎の玄関に出ると、
寒いはずなのにどこか温かさを感じた。
「高月っ!」
すると、今一番聞きたかった声があたしの名前を呼ぶ。
着替えを終えて登校してきた世良くんが
あたしに笑いかけてくれていた。
「ゴメン、遅くなって」
雪のように冷たくなったあたしの心を
彼の温かい優しさが溶かしてくれた。
過去はもう、振り返らない。
あたしの新しい未来は、
すぐそばにある………
I wish you be happy forever...
『時にはこんな恋の始まり』END
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