終わりと始まりは突然で

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(あたしが……泣く……?) 「なんで?」 あたしが先生の前で泣くはずが無い。 泣きたいけれど、先生の前でなんか泣かない。 だって…… 「そーゆーメンドクサイ事言わないから、あたしとこんなことしてたんじゃないの?」 そう。 あたしが重たい女じゃないから。 先生自身もきっと性欲処理であたしの相手をしているだけなんだ。 あたしには何の感情も抱いていないんだ。 だから…… 「……幸せになって先生。今まで一緒にいてくれてありがとう…」 「……“ひな”!もう遅いし雪降ってるから車で送るよ」 「大丈夫、まだ電車あるし一人で帰る」 先生なりの優しさなんだろう。 車で送ってもらえる日はもうないだろうけど、あたしは断った。 もう、あたしと先生は全く赤の他人。 先生と教え子という関係しかない。
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