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"拝啓 花の便りが相次ぐ今日のこのごろ
皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて このたび 私達は結婚式を挙げることになりました。
つきましては ぜひ皆様に立会人となって
私たちふたりの門出を見届けていただく……"
新学期を迎えて、新しい時間割にもなれていない頃。
私宛に届いた1通の招待状。
男らしい顔立ちなのに、堅い言葉が似合わないあの人の顔が浮かんで、
私はフフッと頬が緩んだ。
まだ子どもの私に招待状を送ってくる人なんて、一人しかいない。
「お母さーーん!」
私は招待状を持って
駆け足で家の中へ入っていった。
『I wish you happiness forever...』
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