I wish you happiness forever...

3/14
前へ
/67ページ
次へ
「本当に俺も行っていいの?」 「もちろん!招待状にもちゃんと書いてあったでしょ?"二人で来てください"って!」 「そうだけれど……」 真っ黒いスーツを着て引き締まる彼の姿は、どこかぎこちない様子であたしの方を見る。 あたしはその様子を見ていると、どこかおかしくってつい頬を緩めてしまう。 微笑むあたしを見て、恥ずかしいのか彼の頬がほんのり紅くなったような気がする。 「だって……確かに俺もお世話になったけれど、出席してもいいのかどうかは別じゃん」 「でも、あたしは二人で行きたいな。……ダメ?」 「…………っ」 必殺の上目遣いを取り出しては、彼の姿を見る。 すると、ますます彼の頬が真っ赤になって、耳まで紅くなるのがよくわかる。 そして、どこか悔しそうな顔をしてあたしに言った。 「それ、反則だから……!!」 「え?何のこと?」 「比奈」 「…………っ」 優しいその声で名前を呼ばれるのは、まだどこか慣れなくて。 あたしは未だに照れてしまう。 そんなことは露知らず、彼は仕返すつもりであたしの背中から抱きしめる。 「海斗……」 世良…海斗くん。 あたしの大好きな彼氏。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加