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「うわぁ……」
「すげぇ……」
結婚式場の中に入ると、既に人は溢れていた。
見回すと、威厳や権力がある人ばかり。
見るだけでも、大手会社の社長さんやその関係者が多いように思えた。
高校生のあたし達が、場違いだと思えるくらいに。
「先生って……」
「どこかの財閥の御曹司……?」
言わなくても、見ての通りだった。
受付で名前を書く時にも、ちらほらと○○株式会社や○○協会などの社長の文字が見える。
次元が違いすぎて、あたし達は目を見開いてばかりだった。
「先生、どこにいンだろう?」
「控え室……とか?でも、親族以外は入れないと思う」
「控え室か……」
式場を見渡すと、『新郎・新婦ご親族様』という文字が書かれた看板が立っている。
おそらく先生はそこにいるのだろうけれど、あたし達が近づけるような所じゃない。
諦めて、式場内に指定された席で座って待つことにした。
その時……、
「比奈」
「どうしたの?」
「あれ、三好先生じゃね?」
「え……?」
海斗が指を指す先には、今日の主役の一人。
三好先生の姿だった。
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