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「ねぇ、海斗」
「ん?どうした、比奈」
「あたし達も、幸せになろうね」
「……幸せにするよ」
「え?」
「比奈は、俺が幸せにする。まだ何もできない子供だけれど、比奈のこと、護るから」
「海斗……!」
あたし達の祝福でも、なんでもないのに。
あたしまでも幸せな気持ちで溢れてしまった。
そして、神様までもあたし達を祝福してくれているのか……
「おーい!そっちいったぞ!」
「えっ?」
バサッと音がしたとともに、何か柔らかいものが上から飛んでくる。
落とさないように、あたしはそれを包み込むように受け取った。
それが花嫁が投げたブーケだったと気がつくまでに、時間はかからなかった。
「ええぇ?」
海斗と話していたからか、ブーケトスが行われてることに気が付かなかった。
受け取ってしまったことが信じられなくて、あたしは何がなんだかわからなくなる。
「高月!!」
すると、遠くから聞こえる先生の声。
あたしは声がする方へ顔を向けると、先生は蔓延の笑みだった。
「次は、高月たちの番だな」
まるで、いたづら心を持った子供のように先生は言った。
隣にいる海斗だって、あたしを見て笑っている。
「えっええええぇぇ!?」
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