食堂は食事をする所だ

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俺は生徒会専用の席へ行くために小さな階段を上がる。ここの食堂はレストランの様な内装で、流石お金持ち学園と言うか、料理を注文する時はタッチパネルだ。 この学園が最先端技術を惜しみ無く使えるのは、此処に将来の日本を担う人材が数多くいるから。その質は置いておいて、な。 「「キャーーーーーッ!!!」」 今度は何だ。生徒会か?いや、悲鳴が比較的小さい事から生徒会ではないか。 それならばと俺は下の騒ぎには無視を決め込んでタッチパネルであいつらが食べそうな料理を注文する。 終わった所で騒がしい食堂に目を向ける。黄土色の例の悲鳴があるにはあるが、誹謗中傷が混じっているのだ。 誰が来たのか。親衛隊だろうか。 詳しく言い忘れていたが、顔が良い奴には親衛隊という組織が存在する。主に対象の人間の手伝いをしたりするための組織だ。 …が、穏便派と過激派とがあり穏便派はファンクラブのようなものだが過激派は違う。 過激派は対象の人間に自分達が認めた以外の人間が近づくと制裁といういじめをするのだ。 時には自分の体さえも使って近づいた人間を追い詰めると言われている。 だから、その他一般生徒から親衛隊は嫌われている。 と言っても、この学園の過半数は誰かの親衛隊に所属しているから、その事について表面的に文句をつける奴は少ない。親衛隊に所属していない生徒にとって明日は我が身、親衛隊を敵に回すのは避けたい事だろう。では、入って来たのは親衛隊ではないのか。 そもそも、この学園でこんな風に二階の生徒会用席まで届く様な誹謗中傷をあからさまに受ける人物など居ただろうか。 そう思って、俺は二階から騒ぎの中心を眺めた。
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