5152人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
『悪いな。良ければ使ってくれ、制服はクリーニングに出した方が良いだろう、生徒会の方で処理しよう。』
取り敢えず放心している大上と、どうすれば良いのか図りかねている石崎は放っておいて、生徒会親衛隊総隊長達に話しかけながらハンカチを差し出す。
二人は皿やグラスに入っていた飲み物が少なからず制服にかかっていた。
親衛隊員が会長に突き飛ばされた事で強張っていた顔は、落ち着きを取り戻している。
「え、別にいいですよぉ?てゆーか、庶務様に会えて嬉しいなぁ。運命だったりしてぇ?」
「俺も大丈夫です。お気遣いありがとうございます。庶務様はお怪我ありませんか?」
「いや、ない。」
総隊長、副総隊長と続けて話す。実は二人と話すのは初めてだったりする。
この二人は表面上は、俺というか生徒会に対して好意を向けているが、実際は違うんじゃないかと思う。
総隊長はヘラヘラしている普段とは裏腹に、面倒臭げに遠目からこちらを見ている時があるから、もしかして…とは思っていたが実際話し、目を見て感じた。
少なくとも総隊長は俺達生徒会への好意なんて恐らくないだろう。
だが、こいつらが親衛隊総隊長や副総隊長になってからは、色々と変わった。
強姦が少なくなったし、仕事も少し減った。
直接関係があるのかはまだ分からないが、そうである可能性は極めて高い。
こいつらは生徒会が好きだから親衛隊に入ったのではなく、親衛隊というポジションを使って何かするつもりなのかもしれないと最近考えていた所だ。
今日のこれで大分生徒会親衛隊は騒ぐだろう。どうにかこいつらにはそれを押さえて欲しい。
最初のコメントを投稿しよう!