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まあ、こいつらが何を考えてるのかは分からないから、ゆっくり話をするべきか。
「…庶務様?大丈夫ですか?」
総隊長の顔をじっと見ながら考え込んでいた俺に、副総隊長が心配そうに聞いてくる。俺は、取り敢えず副総隊長にハンカチを握らせて、小さく囁いた。
『明後日、伺いたい。とにかくこの状態はまずい。取り敢えずは外へ。』
そういうと、この現状を理解したのか二人は不自然に思われないほどの早歩きで食堂を出て行った。
さてと。どうするかな。
床には皿やらコップが割れて散らばり、飲み物がこぼれている。食事が飛び散ってないのは、喜ぶべきだな。
『後は俺がしておこう。もうすぐ授業が始まる。』
気まずそうに立っている今まで空気だった石崎とやっと我に返った大上に声をかけた。
『あぁ、お前達の連れに常識外れな事をしたのは悪かったな。出来れば本人に謝ってもらいたい所だが。』
「あ、いや、」
『しかし、気を付けた方が良いぞ。この学園で過ごすお前達なら分かっているだろうが。』
言いたい事が言えた俺は床に割れて散らばった皿などを拾い始める。
すると今までは静かに此方を見ていたウェイターが、慌ててやって来た。
「宮島様!私がしますので、どうか下がってください!」
『無理だ、生徒会がした事だからな。』
「駄目です!」
なかなか納得しないウェイターを無視して割れた欠片を拾い続ける。
『当たり前の事が分からなくなる様ではこの先生きていけないだろう。汚したら綺麗にする。普通の事だ。した事には責任を持たなければ駄目だ。俺は、生徒会庶務だからな。』
まぁ、当たり前の事が出来るからといって、この先生きていける訳ではないけどな。
けじめの様な物だ。今回のこれは俺のミス。次からは同じ過ちは繰り返さない。
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