Lv2 第一試合

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********** 「行くぜ……」  刀真の瞳がゆらゆら、ゆらゆら、虚ろに揺らめき始める。  そして、直立したまま右手を木刀の柄に柔らかく置く。  刀真は『薙翔鷹鉤爪』に全神経を集中させていた。  対するは谷、刀真の先の一撃をかわし、次なる先を狙う。  谷にとっては一度見た技。  刀真にとっては一度見られた技。  しかし、刀真に迷いは無く、逆に刀真の異様な鬼気が谷を呑み込んでいく。  谷は受けの姿勢、唾を飲み込み刀真が動くその瞬間を待つ。  唐突に……  刀真が前のめりに倒れ込む。  谷の目が見開く。  刹那、刀真の体が床に消え突風の如く谷にへ迫る。  谷が後方へ瞬時に跳躍。  これでは刀真の竹刀は届かない。  タイミング、谷は頭にその事だけを残し右手に力を込める。  刀真の竹刀が空を斬る。  竜巻の様に舞う刀真。  そして次の瞬間…… 「一本!!」  佐々木佳紀により、試合終了を告げる一声が発せられる。  そこには動く事さえ出来ず、竹刀を喉元に突き付けられる谷の姿があった。  
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