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Lv2 第二試合
薄暗い空気を切り裂く様に。
窓から射し込む日の光を刀身に走らせる佳紀。
唐突な突き。
武明、右の木刀で受け流すと瞬時に左足から前へ踏み出す。
左木刀による逆袈裟の振り下ろし。
無音の空間に交差る、空気を斬る耳に突く高音、床を震動させる重音。
佳紀、素早く後退しながら剣先を下に傾け柄頭で木刀を狙い打つ、さらに先程の突きから切り上げに転じる。
風を斬る鋭い剣捌き、白く揺らめく刀身。
武明、再度右で受けると受け渡す様に左で刀を弾き、身体を流れのまま回転させる。
風と共に流れる体捌き、風景と同化する二本の木刀。
風を纏う右の木刀は、横薙へと転じる。
佳紀、急速に前に倒れ込みその一撃をかわす。
武明、二連撃の左の木刀を加速させるが、回転する身体は刹那の無防備。
佳紀は隙を見逃さない。
倒れ様に柄を前へ突き出し、武明の脇腹へと踏み込む。
攻めは最大の防御、佳紀は怯んだ所に決め手の一撃を狙う。
柄が武明の脇腹へとメリ込む。
が、彼は顔色一つ変えない。
彼の木刀が唸りを挙げる。
佳紀、堪らず刀身に左手を添えて腹で受ける姿勢。
武明の左の横薙による重い踏み込みが床を奮い立たせる。
刹那、更なる振動が床を走り佳紀の体は後方へと吹き飛んだ。
武明は後ろへ突き出す様な蹴りで佳紀の体を吹き飛ばしたのだ。
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