第一談

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★ 毎日なにをするでもなく好きなマンガを見たり、アニメを見たり、ゲームをしたり、それが何よりの俺の幸せな日常だった。 よく小説やマンガでは『そんな日々に飽き飽きしていた』とか使われるけど俺のそんな好奇心は既に小2ぐらいで終わっていて今はただそうやって趣味に没頭出来るのが至福そのものなのである。 だから俺は非日常が実際に現実に起きてほしいなんて絶対に微塵にも思わない。 まぁこれからもこれまでもそんなことは絶対に起きないからいいんだけどな! 高校二年になって一日目。 世間一般的にオタクって呼ばれる人種の俺は自分から友達っていうのを作るのが苦手で、話す奴はいても心から『信頼』出来る奴なんていねぇ。 だから学校につけば何も言わず自分の席に直行し、好きなマンガを読み始める……っていうのが主な日課だ。 今日もその手はずで俺は自分の席に直行。 「……マンガ、マンガっと」 ーーといってもこのクラス、実は半分ぐらいは同中の奴だし、半分ぐらいは高一からメンバーは変わってない。 ここいらの田舎の中学はたったニクラスしかないんで同中のやつとはいくら親しくなくても顔馴染み。事実上知り合いばかりなのだ。 この学校『県立甲南北高等学校』略して『北高』と呼ばれる俺たちの高校は七クラスあるものの俺の属する『福祉科』はニクラスしかないんでクラス替えしても代わり映えはなし。
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