第一談

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「……フフフ、そうですか。 あ、今日の日替わりメニューはカレーライスです。 使われている材料ですが」 「あーーーーうっさかねぇ!!お前の説明は聞かんっ」 「おやおや、今日はいつになく不機嫌ですねぇ~いつもは栄養分のところまでいくのに」 「俺はいつもと変わらんし。まぁお前のうざさもいつもと変わらんばってんね」 洋勝の奴は毎日こうやってメニューについて解説してくるのだ。まぁ食事用意して貰ってるし本当ならそれくらいのうざさは理解してやんなきゃいけないのかもしれんけど。 熊本弁丸出しの俺に読んでくれてるみんながどれだけついていけてるか分かんないけど一応自己紹介しておく。 俺は『村上晋平(むらかみしんぺい)』ーーどこにでもいる平凡な名前が特徴的な男だ。 いつも眠い目をしていると言われるほどキツネ目が特徴的で髪もただの黒髪のスポーツ刈り。んで外見からはあんまり分かんないけど最近気になってきたのが三段腹な自堕落オタク男子だ。 同級生でこれほどまでに熊本弁丸出しな奴はいないけど俺は歳の離れた兄二人と父母と熊本弁ばっかで会話するせいなのか、方言で話す癖は抜けない。 まぁ熊本から将来出る予定もないし、困らないっちゃ困らないんでそれほどまでに気にしてない。 「いただきます!」 俺は仏頂面のまま、スプーンを握ると食事を運んできてくれた洋勝に礼さえ言わずに速攻でカレーライスを片付ける。 まだ読み途中のマンガがあるんだ。早く教室に戻りたい。
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