感情の名前

5/17
前へ
/53ページ
次へ
体を横に向け、上履きをはいて立ち上がろうとすると ズキッ 「―っ!うわっ!」 頭に、痛みが走り体がふらついて 「さ、相楽君!?きゃっ―!」 杉浦は、倒れそうになる俺の体を受け止めようとしたけど、女の腕では当然、男の体を支えることなんて出来るわけもなく… ****** 相楽君と私は、保健室にいる。 「ご、ごめん…。ちょっと今、体動かせそうにない。」 「そういわれましても…。」 なにもない、なにもないんだけど 倒れそうになった相楽君を、受け止めようとしたが出来ず、そのまま隣のベッドへ、ドスンと飛び込んでしまった私達。 そして今、白いベッドに仰向けになった私の上には、相楽君がいる。 「悪い、もう大丈夫だから。」 相楽君は、私の両腕のわきに手をついて体を起こした。 「う、うん。」 実際は、そんなに長くあの体勢じゃなかったんだろうけど、やけに長く感じた そのとき、保健室のドアが開く音と同時に 「翔~!」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加