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「杉浦はっ―…」
好きなんだよ…お前が。
でも、これは俺が勝手に言っていい言葉じゃない
「なんか変だよ。まだ具合良くないんじゃない?」
「いや、ちょっと用事思い出した。先帰ってて。」
ベッドの横にあるリュックを背負って、返事を聞かずに保健室から出た。
杉浦が走っていった廊下の方に行くと、突き当たりに階段があり4階は教室がある。
ほぼ感だったけど、教室のドアの前に立ってわずかに開いた隙間から中を見てみると
いた……。
教室に1人、顔を伏せて杉浦は席に座っていた。
決心してドアを開けると、杉浦の肩がビクッとなった。
「大丈夫。俺だから。」
杉浦に近付くと、小さな涙声が聞こえてきた
肩は、小刻みに震えていて
慰めようと、肩に手を置こうとするけど触れる少し前で止まってしまう
「泣くなよ…。」
これしか、杉浦にしてやれない。
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