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「ふ…られた…。わたし…、タイミ…ング悪すぎ……。」
「うん。」
「帰りなよ…。」
「うん」
「わた…し、泣い…ちゃ…てる…。は…ずか…し。」
「うん」
「なん…で、うんしか…言わな…いの」
「それしかできないから。」
杉浦の横で、あいつの話を聞くことしか…。
「なに…それ…」
「駿じゃなくて…。杉浦のこと、見てるヤツにしろよ。」
「そんなひと…いるわけ―」
「目の前にいる。」
「えっ―…」
杉浦は顔を上げて、目の前にいる俺を見上げた。
真っ赤な目に、潤んだ瞳
俺なら、杉浦を泣かせないのに。
「こっ…、ここにいるんだよ!」
それを言って、俺は教室から飛び出た。
教室から出ると、
「うぇっ。」
目の前の壁には橘がいた
「なに、その反応は。」
「聞いてた…?」
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