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そして、となりの部活は……
「キュッ―。シュッ――。」
綾瀬君がいる、バスケ部。
部員数が多いのにも関わらず、私は綾瀬君をすんなり見つけられた。
私には、綾瀬君が目立って見える。
これも、
好き
だから?
なんだろ、もやもやする…
『………っっ』
綾瀬君と目が合いそうになって、とっさに顔を背ける
ドキン、ドキン…ドキン
鼓動が早すぎて…、うるさくて。
『はぁ~、ふぅー。』
鼓動を抑えるように胸に左手をあて、深呼吸を一つ。
止まるのかと思いきや、全然かわんない。
〈部活、部活―。〉
気持ちを切り替えて、防具袋から面、小手、胴、垂を出す。
小手の上に面を置く
そして、垂と胴を着けて、ひと休み―
左に置いた、水筒を手にとり、お茶を一口。
『はぁ~……』
チラッ
集中しなきゃ―。
いけないのに、したいのに、どうしても綾瀬君を見てしまう。
「失礼します!」
左の、体育館入り口から聞こえる気合いの入った声。
〈う゛っ…〉
見なくても、悪い意味で誰か分かる
嫌いな人だから―。
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