十六燭…深紅

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《ビル五階 展覧会 会場》 様々な美術品に混じって、蜘蛛の糸に捕われた人間達がパライーターの保存食として飾られている。 悪夢が実現されたかのような部屋の中で、享に異変が起きていた。 ズシャズシャズシャ!! 深紅のバックルから飛び出した有刺鉄線が、享の身体を包み込み… 深紅の鎧と、大剣に変化した。(その間、約0.5秒!) 投縄「なんだ…その姿は!?まるで、俺達と同じ…」 享「これは、パライーターの死骸から作られた『意志を失ったパライーター』…『深紅』僕の武器であり、鎧だ」 ガサガサガサ… 部屋の隅に隠れていた蜘蛛型パライーター(B級)三体が、享を取り囲んだ。 投縄「なぁ~にが、深紅だぁ?特撮ヒーローにでもなったつもりか?てめぇら!ヤッちまえェェ!!」 三体同時に、享に襲い掛かる! ―ぐるん― 享は、大剣を軽がると振り回す!!三体の蜘蛛型パライーターは、真横に切り裂かれて絶命した。 投縄「は?なんなんだ…なんなんだよ!テメェはぁあ!!」 ―死― 投縄の頭に、その一文字が浮かび上がった。 投縄は『オオイセキグモ』のパライーター。(別名、投げ縄蜘蛛)糸の先に、粘り気のある『玉』を作り出し、それを敵にぶつけて動きを止め…補食するのだ。 投縄「この攻撃が…躱せるかァァ!!」 投縄は、糸で作られた玉が先についた糸を吐き出して攻撃を仕掛ける!享は、大剣で迎撃! しかし… パァン!! 玉は弾け飛び、細い糸へと変化して享を包み込んだ!! 享「うぐぅ…」 享を捕らえた投縄は、軽がると糸ごと享を蜘蛛の巣に放り投げた。 投縄「はっ!なんだ、コケ脅しかよ!全然大した事……!?」 バリィ!! 糸を自力で吹き飛ばし、享は身体の自由を取り戻す。さらに、蜘蛛の巣を切り裂き、捕われていた人々を解放した!! 享「さて…お前には、この大剣『ソウルイーター』の実験材料になってもらおう!」 享は、投縄に切り掛かかる!! 投縄「舐めるなァァ!」 ずじゅ… 一撃で腹を切り裂かれ、投縄は倒れた。 投縄「馬鹿な…お前は本当に…パライーターじゃないのか?そうか!お前が噂の限定…ぶひぃ!!」 台詞を言い終える前に、享は投縄の頭にソウルイーターを突き刺した。 享「僕は、ただの人間…だよ」 深紅の鎧に身を包み、大剣を床に突き刺す。享の身体を、今までに感じた事の無い充実感が満たしていった。image=72480326.jpg
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