十六燭…深紅

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有刺鉄線が、身体中に突き刺さる! が… 血は一滴も出ない。なぜならば!吸われているからである! 享「ギィヤァァァァァ!?」 激痛で、叫び声をあげる享。しかし…次第に痛みは無くなり、快感に変わっていく。 うずくまる享の前に、マリーが大きな鏡を持ってきた。 マリー「見てみなよ。あんたの姿を」 鏡に映った姿は…赤い鎧に身を包み、大きな剣をもった『パライーター』のような、自分の姿だった。 享「こ、これは!?」 桐人「それは、パライーターの死骸から作った…意志無きパライーター『深紅』だ。人間の外部にのみ寄生し、鎧のような姿と大剣に変化する。超人的な身体能力を手にすることができる」 享「これが…あなたが言っていた『力』なのか?ただでくれる訳ではないのだろう?」 桐人は、笑顔で答えた。 桐人「私達の手伝いをして貰う。その剣『ソウルイーター』は、パライーターの生命エネルギーをストックする力がある。それを、私達の母に流し込んで欲しいのだ」 マリー「もちろん…仲間には絶対に秘密よ!言ったら…」 桐人「バックルに仕掛けた超小型爆弾が爆発する。君は、力を失う」 享は、しばらく考えてから口を開いた。 享「わかりました…この力…身につければ分かる。あなた達に協力します」 桐人「ありがとう。深紅を身につけていられる時間は五分。時間がたてば、拒絶反応が起こり、自動的に解除される。ちなみに…装着後は、かなりの血を失う事になるので…輸血準備をしておきましょう。血液型は?」 享「…Aです」 享は、望んでいた力を手に入れた。その姿を見て‥ ヘィルは笑っていた。
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